今朝一番に目に飛び込んだのは
中村勘三郎の訃報のニュースでした。
2年前の2010年の11月の半ば過ぎ、
紅葉の盛りの大阪城西の丸庭園内で行われた
大阪平成中村座の公演に母と行った時の、
勢いのある芝居を思い出しました。
特設会場の中村座の建物は、
江戸時代の芝居小屋を再現したということで、
靴を脱いで上がる劇場でしたので
普通の劇場で見るのとおもむきが違いました。
演目は「法界坊」でした。
中村勘三郎のコミカルな演技で、
最初から場内は爆笑が絶えない楽しいお芝居でした。
歌舞伎の固定観念から離れて、俳優が客席を駆け巡ったり、
黒子が活躍したり、
勘三郎が中村橋之助に三田寛子ネタでツッコミを入れてみたりと
飽きさせない舞台でした。
でも、ストーリーは結構シビアで、
中村勘三郎が演じる法界坊は、
最初は悪党ながら茶目っ気のある人物像でしたが、
だんだん残忍性、狂気性があらわれ、
命を落とした後は怨霊になるという怖い内容で、
話はおどろおどろしく展開され、
引き込まれていきました。
最後は、舞台のバックステージがぱっくりと開き、
現れた本物の大阪城をバックに、
桜吹雪の中での大立廻りという、クライマックスが圧巻でした。
中村勘三郎は舞台に現れた時は、
「小柄な人なんだな、、、」という印象でしたが、
このクライマックスでの万雷の喝采の中で大見得切る姿は
とても大きく見え、今でも目に焼き付いています。
ご冥福をお祈りします。
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