昔からの友人は一人娘で、母親は彼女が高校生の時に
病気で亡くなりました。
以来、父娘と暮らしていましたが、
そのお父さんも、数年前に亡くなりました。
親戚付き合いもあまりなかったようで、
天涯孤独になってしまいました。
お葬式はそういうことに慣れていない彼女が
一人で右往左往としてる姿が不憫で、
何もかも終わるまで私もその場を立ち去ることが
できませんでした。
その彼女が、父親の作ったトマトの話をするのです。
それは土壌にこだわり、毎日愛情を混めてつくったトマトで、
真っ赤になるまでもぎりとることがないトマト。
今はフルーツトマトとか、甘いトマトが出来ているのですが、
そのどのトマトの味とも違う。
百貨店で一番高いトマトを買ってみても、水に沈まないの。
お父さんのトマトは、糖度が高いから水に沈むんだよ、、と
何回も何回も聞きました。
先日、こだわってる近所のおじさんが持って来てくれたトマト。
これを食べて、彼女の言ってたトマトだと確信しました。
酸味と甘さと実のつまり具合。
愛情に満ちていて、まるで太陽のようなトマトでした。
早速残った二つだけを小さな宅急便で送りました。
彼女が涙を流さんばかりに
懐かしがってくれたことは言うに及びません。
こんなトマトを作る人。
その人は愛情深い人に違いありません。
彼女のお父様もできた野菜を車で配り歩くような人でした。
このトマトを通して、彼女のお父さんが天国から、
友人をよろしく頼みますと言ってるかのようでした。
暑い毎日がまだまだ続きますが、
どうぞお元気でおすごしください!
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